すべて世はこともなし
ある休日
遅起きして、自転車ででかける。
ちいさな商店街のお店をのんびり眺めながら
はじめていくカフェへ。
自分の選んだキーマカレーより、
夫の選んだ鯖カレーのほうが美味しくてちょっとくやしい。
好きなパン屋さん、
行ってみたかったアイス屋さんも定休日。
でもまあいいか。
街の映画館でこんど『パターソン』が上映されるのを知る。
必ず観に行こう。
自転車をこいで、海へ。
ビーチバレー、サーフィン、散歩、ひなたぼっこ。
みんな おもいおもいに過ごしている。
波は寄せては返す
水平線は遠いし近い
時は春、
日は朝、
朝は七時、
片岡(かたをか)に露みちて、
揚雲雀(あげひばり)なのりいで、
蝸牛(かたつむり)枝に這(は)ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。
「春の朝(あした)」
ロバート・ブラウニング(上田 敏 訳)